スローとうしのすゝめ 「スローとうし」は、企業分析を楽しみながら、お気に入りの企業キャラを見つけ、推しキャラと一緒にのんびり投資ライフを送ろうというものです。
株が上がれば万歳三唱、下がれば現実逃避。推しキャラ変えるのもあなた次第。投資の考え方は十人十色。
あなたならではの、「スローとうし」をはじめましょう。
プロローグ
はじめに
-
今日はアサヒグループの投資分析をトレーディングカードに見立ててやっていきましょう。みなさん、「アサヒ」といえばどんな企業か知っていますか?
-
ビール!!!アサヒといえばアサヒビール、すーぱードライだ。
-
なんでそんなに元気なのよ、ビールなんてまだ飲めないのに…。でも、たしかにアサヒといえばビールが真っ先に思い浮かぶかしら。
-
そうですね、アサヒといえばビール事業が有名ですが、今日はそのアサヒグループHDの投資分析をトレカを作るような感覚でみんなで楽しく見ていきましょう。
アサヒグループの概要
- 名前【証券コード】
アサヒグループホールディングス【2502】
- 創業・設立
1889年(明治22年)、朝日麦酒㈱の前身となる大阪麦酒会社を設立。その後合併により大日本麦酒㈱となるが、戦後の財閥解体により大日本麦酒㈱が朝日麦酒と日本麦酒(現在のサッポロホールディングス)に分割される形で設立された。
- 事業の内容
ビールなどの酒類のほか、三ツ矢サイダーやカルピスなどの飲料や食料品などもつくる。
- 本社
東京都墨田区(う○こみたいなオブジェがあるところ。)
- 社員の数
全体で3万人くらい。
- 企業理念・使命など
期待を超えるおいしさ、楽しい生活文化の創造
-
う○こみたいなオブジェ???はっ!!あの金色の変なのか。ほぇ~、あそこにアサヒがあるのか…。知らなかった~。
-
変なのって…あのオブジェはたしか有名なデザイナーが設計したものよ。たしかに奇抜な形はしてるけど。それに昔はアサヒとサッポロが一緒の会社だったのは知らなかったわ。
-
それにビールだけでなくサイダーやカルピスもアサヒが作ってるんだね。
-
カルピス㈱は以前は味の素㈱の傘下にありましたが、2012年にアサヒに株式譲渡され、現在はアサヒグループの子会社となっています。
企業の成長性を占う
せいちょう
業績の傾向
-
投資分析の中心は企業の成長性を見極めることです。まずはアサヒが今後どれだけ成長できるのか、皆さんで業績を見ながら評価してみましょう。
-
これを見ると…売上も利益も少しは伸びてる??でも、チョット物足りないかな~。
-
成長という点では弱い感じだけど、利益がマイナスになることがないので、業績の安定度は高いといえるわね。
-
そうですね、成長性には少し弱さを感じますが、食料品事業そのものが急激に成長することが難しい事業なの仕方ない部分もあります。
売上収益
2兆890億円
※調整額△100は除く。
-
では、具体的に収益の中身を見ていきましょう。アサヒといえば、やはりスーパードライに代表されるビール事業が収益の中心となっていますね。
-
売上の4割以上が酒類なのは予想してたけど、海外での売上が3割以上あるのは少し意外な感じね。
-
やっぱアサヒといえばビールだよ。スーパードライはずっと1位だし、スパドラがあればアサヒの売上もどんどん成長していくよ。
-
でも、最近はビールを飲む人が減ってると聞くけど、大丈夫かしら?
-
-
ここでいう「新ジャンル」とはいわゆる第3のビールのことを指します。第三のビールは、近年、急速に売上を伸ばしています。
-
これを見ると、市場規模は年々縮小傾向にあることが分かるわ。スーパードライがいくら売れても市場が小さくなれば収益の拡大は難しい気がするわ。
-
ビール飲む人が減ってるのは知らなかった…。スパドラでも厳しいのか…。
-
ビール市場が縮小傾向の中、生き残りのカギは第三のビールになっていくかもしれません。アサヒの事業別収益も確認しておきましょう。
-
-
国内の酒類は伸びてないけど、ここ数年海外(国際)の売上は伸びているわ。アサヒは収益拡大の源泉を国内から海外に求めているのかしら。
-
サキさんの言うとおり、アサヒは海外進出によって企業を成長させようとしています。昨年にも、豪州のビール最大手の買収(買収額1兆2000億円)を発表しています。
-
じゃあ、アサヒの成長は海外進出がうまくいくどうかだね。
近年の株価
-
最後にアサヒの株価も見ておきましょう。過去の業績と株価の動きを確認し、将来の業績予想から今後の株価の動きをイメージしてください。
-
株価は2017年まで上昇した後に横ばいかやや下落傾向にあるわね。業績も17年12月期までの緩やかな拡大から今は足踏み状態が続いているし、今後の業績拡大が株価上昇の条件かもしれないわ。
-
つまり海外進出がうまくいくかどうか…アサヒなら大丈夫、きっと。
-
評価値
-
では、最後にアサヒのステータス『せいちょう』を0~4の数値で評価してください。(目安 0:う~ん厳しい 1:もっとできる 2:ふつ~ 3:すくすく育て 4:ぐんぐん成長)
-
-
-
それではタイチくんの「2」とサキさんの「1」を勘案して、『せいちょう』の評価値は「1.5」としましょう。
1.5
企業の利益率を測る
ちせい
ROEと3つの指標
|
ROE(%) |
売上高利益率 |
総資産回転率 |
財務レバレッジ |
アサヒG
(19.12) |
11.9
(10.1) |
6.8
(4.8) |
0.67
(0.89) |
2.60
(2.43) |
キリン
(19.12) |
6.6
(8.6) |
3.1
(3.7) |
0.82
(0.79) |
2.60
(2.93) |
サッポロ
(19.12) |
2.6
(4.4) |
0.9
(1.3) |
0.77
(0.83) |
3.81
(4.06) |
サントリーBF
(19.12) |
9.4
(9.0) |
5.3
(4.3) |
0.84
(0.93) |
2.11
(2.38) |
※当期純利益を使用。( )は過去10年の平均、サントリーBFは上場後7年の平均。
-
次は企業のお金の使い方、どれだけ賢くお金を使って利益を上げているかという点から評価していきましょう。まずはROEなどを同業他社と比較して見てみましょう。
-
なお、ビール大手のサントリーは非上場のため、代わりにサントリーの子会社で清涼飲料事業を担うサントリーBFの数値を載せています。
-
アサヒのROEは11.9でキリンやサッポロと比較すると高いね。アサヒはライバル企業より賢く利益を稼いでる?
-
そうね、ROEの過去10年平均でも他社より高いし、売上高利益率も高いことを考えると、少なくともビール大手の中では一番効率的に利益を稼いでいると言えるわね。
-
上場企業のうち主要な企業のROE平均が9~10%前後と言われているので、アサヒの11.9%は平均よりやや高めといえます。続いてROEの推移を見てみましょう。
-
ROEはここ数年で10%を超える水準に上昇してるけど、これは売上高利益率と財務レバレッジを引き上げていることが要因なのかしら。
-
たしかに!?利益率とレバレッジの上昇とROEの上昇時期が同じだ。そうか~、アサヒはこの2つの指標を上げることでROEを高めているのか~。
-
いいとこに気づきましたね。アサヒが他社と比べてROEが高いのはうまく利益率や財務レバレッジを引き上げてきたからともいえます。
ROAと営業費用売上比率
|
ROA(%) |
営業費用売上比率 |
アサヒG
(19.12) |
6.5
(6.8) |
1.11
(1.09) |
キリン
(19.12) |
3.7
(5.6) |
1.05
(1.08) |
サッポロ(19.12) |
1.9
(2.5) |
1.03
(1.03) |
サントリーBF(19.12) |
7.3
(7.0) |
1.10
(1.08) |
※営業利益を使用。( )は過去10年の平均、サントリーBFは上場後7年の平均。
-
ROAと営業費用売上比率も確認しましょう。営業費用売上比率の上場企業の平均は1.05~1.10くらいと言われており、1.15以上であれば十分といえます。
-
ROAもキリンやサッポロより高いね。本業で十分な利益が出ているということだね。
-
営業費用売上比率は1.11と上場企業の平均値だけど、ライバル企業と比べると高いのがわかるわ。
-
ROAと営業費用売上比率の推移も見ておきましょう。
-
少しずつだけど営業費用売上比率が上向きなのは良い傾向かしら。
-
ROAは横ばいかやや下向きかぁ…資産規模が大きくなってるのが要因かなぁ…
1株あたりの指標
-
-
-
特にBPSが安定的に上昇していると安心感があるわね。
評価値
-
では、アサヒのステータス『ちせい』を0~4の数値で評価してください。(目安 0:改善が必要 1:もう少し頑張れ 2:ふつ~ 3:賢い 4:大賢者)
-
-
ライバル企業と比べれば高いけど、それでも「2」くらいかしら。
-
それではタイチくんの「3」とサキさんの「2」を勘案して、『ちせい』の評価値は「2.5」としましょう。
2.5
企業の安定度を見る
あんてい
業績のバラツキ
業績の前年比標準偏差σ(%)
|
1株利益σ(%) |
売上高σ(%) |
営業利益σ(%) |
アサヒG
(20Y) |
119.3
(3) |
5.5
(5) |
12.3
(7) |
キリン
(20Y) |
184.0
(9) |
7.2
(7) |
18.3
(7) |
サッポロ
(20Y) |
379.4
(8) |
6.2
(10) |
30.7
(9) |
サントリーBF
(7Y) |
39.3
(3) |
4.8
(0) |
10.1
(1) |
※( )は前年比がマイナスになった回数。会計基準の変更期は計算外。
-
ここでは業績の安定度を見ていきましょう。ここでは各指標の前年比の振れ幅を標準偏差で計算しています。数値が小さいほど安定度は高いことになります。
-
いずれの指標でもアサヒの数値が一番小さいので、業績の安定度はかなり高いといえるわね。
-
前年比でマイナスになってる回数もアサヒは少ないね、さすが。
株価のバラツキ
-
株価のバラツキも簡単に確認しておきましょう。株価が大きく変動してるほど株価の安定度は低いと言えます。
-
-
-
たしかに株価の変動幅にはさほど大きな違いはないように感じますね。N225と比べるて若干変動幅は大きいかなと感じる程度です。
評価値
-
では、アサヒのステータス『あんてい』を0~4の数値で評価してください。(目安 0:フリーフォール 1:ジェットコースター 2:ふつ~ 3:メリーゴーランド 4:観覧車)
-
-
-
それではタイチくんの「4」とサキさんの「3」を勘案して、『あんてい』の評価値は「3.5」にしましょう。
3.5
企業の期待度を知る
めいせい
株価と理論株価の乖離
-
続いて企業に対する期待度を見ていきましょう。ここでは理論株価と実際の株価の差を期待度とし、「理論株価<実際の株価」の程度が大きく又は長く続く場合は期待度が高い企業ということになります。
-
だいたい株価のほうが理論株価を上回っているけど、最近は同じくらいの水準になってるね。
-
理論株価との差は将来の業績に対する投資家の期待度とすると、ここ数年その差が小さくなってるのはアサヒに対する期待が小さくなってるということかしら。
評価値
-
では、アサヒのステータス『めいせい』を0~4の数値で評価してください。(目安 0:無名 1:聞いた覚えがある 2:ふつ~ 3:ほとんど知っている 4:英雄)
-
-
-
それではタイチくんの「2」とサキさんの「1」を勘案して、『めいせい』の評価値は「1.5」としましょう。
1.5
企業の優しさを感じる
やさしさ
配当状況
-
最後は企業の配当について見ていきましょう。配当の少ない企業が必ずしも悪いということではないですが、配当から企業の投資家に対する優しさを評価してみましょう。
-
なお、業種や規模によって差はあるものの上場企業の配当性向の平均は30%前後、配当利回りは2~3%と言われています。
-
配当金は順調に増えてる。アサヒに投資すれば配当たくさん貰えるね!!
-
ここ数年伸びてはいるけど、配当性向も利回りもまだ平均といったところね。
評価値
-
では同じように、アサヒのステータス『やさしさ』を0~4の数値で評価してください。(目安 0:魔王 1:質屋の主人 2:ふつ~ 3:宿屋の女主人 4:女神)
-
-
-
では『やさしさ』の評価値は「2.0」としましょう。
2.0
企業カード
キャラデータ
-
ここでトレカを作るにあたっての必要なデータを整理しましょう。キャラの生息地(エリア)はさしあたって『ビールのくに』でしょうか。キャラの武器や魔法、あとは敵はどうしますか?
-
-
魔法か…アサヒは海外展開を急速進めているのを見ると、アサヒにとっての魔法は『海外展開』にするのがいいかしら。
-
あとは敵だね、やっぱビールのライバル企業になるのかな~。
-
そうなると、キリンやサントリー、サッポロが敵になるわね。
-
< 特技・属性 >
えりあ
|
ぶき
|
まほう
|
てき
|
ビールのくに |
スーパードライ |
外国 |
キリン サントリー サッポロ |
< ステータス >
せいちょう
|
ちせい
|
あんてい
|
めいせい
|
やさしさ
|
1.5 |
2.5 |
3.5 |
1.5 |
2.0 |
キャラカード
-
では最後に、トレカに描くアサヒのキャラを決めていきましょう。キャラのイラストは絵の上手いサキさんにお願いするとして、タイチくんはキャラのアイディアを出してみてください。
-
なんか、クマみたいにビッグな感じで…顔はカワイイくて~、名前がチャッピーっぽい感じ。ビールは持ってるよね~。
-
その、チャッピーっぽい感じってなんなのよ…。まあ、描いてみますか…こんな感じかしら。
※画像をクリックして拡大。
-
おぉ~、まさにチャッピーっ。これでアサヒのキャラカードの完成だね。
-
意外とうまく描けたわ。ポイントは首に巻いたバンダナかしら。
-
最後に私たちゆうかぶの投資判断の印をキャラカードに押しましょう。
-
投資判断はステータス評価値の合計(RT)で決定し、13以上で『買い』、8以上13未満は『中立』、8未満は『売り』になります。
-
アサヒのRTは『11.0』だから…『中立』になるね。
-
注意
キャラカードに描かれたキャラクターは当サイト独自のもので、実際の企業とは何ら関係はありません。また当サイトの「買い」「売り」の判断はゆうかぶメンバーの見解によるもので、正確性・信頼性等については一切保証されておりません。投資の最終決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。