スローとうしのすゝめ 「スローとうし」は、企業分析を楽しみながら、お気に入りの企業キャラを見つけ、推しキャラと一緒にのんびり投資ライフを送ろうというものです。
株が上がれば万歳三唱、下がれば現実逃避。推しキャラ変えるのもあなた次第。投資の考え方は十人十色。
あなたならではの、「スローとうし」をはじめましょう。
プロローグ
はじめに
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今日はみなさんも大好きなチョコレートでお馴染みの会社、明治HDの投資分析をトレカ風にやっていきましょう。明治といえばどんな商品を思い浮かべますか?
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私はヨーグルトかしら。最近は、LG21やR-1などの機能性ヨーグルトもよく食べるわ。
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やはり明治といえばお菓子やヨーグルトが有名ですね。私は明治のレトルトカレーをよく食べます。銀座カリーは美味しいですね。今日はその明治HDの投資分析をやっていきましょう。
明治HDの概要
- 名前【証券コード】
明治ホールディングス【2269】
- 創業・設立
1916年(大正5年)、明治製菓㈱の前身となる東京菓子㈱を設立。その後、明治製糖の傘下に入り、明治製菓に商号変更。1940年に乳業部門を、兄弟企業である極東煉乳㈱(後の明治乳業㈱に変更)に委託。2009年、明治製菓と明治乳業が共同で明治HDを設立し、経営統合。2011年、食品事業の㈱明治と薬品事業のMeiji Seika ファルマ㈱に再編される。
- 事業の内容
チョコレートやグミに代表される菓子類や乳製品などの食品製造のほか、医薬事業も行う。菓子・乳業業界最大手。
- 本社
東京都中央区
- 社員の数
全体で1万8千人くらい。
- 企業理念・使命など
「食と健康」のプロフェッショナルとして、常に一歩先を行く価値を創り続けます。
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昔は、お菓子と牛乳の会社は別だったんだね、知らなかったぁ~。
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明治といえば食品メーカーという印象しかなかったけど、医薬事業もやってるのね。
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お菓子と薬が一緒の会社…あれ!?でも、ビールのキリンも薬の事業やってたか。じゃあ、明治が薬の事業やってるのもない話しじゃないか。
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医薬事業は1946年に明治製菓の研究部門として発足し、今はMeiji Seika ファルマが担っています。抗菌薬メーカーとしての地位を確立し、今ではジェネリック医薬品の供給も行っています。
企業の成長性を占う
せいちょう
業績の傾向
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まずは明治HDが今後どれだけ成長できるのか、皆さんで業績を見ながら評価してみましょう。
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利益の伸びが凄すぎ!?売上はそんなでもないのに、利益だけがこんだけ伸びていくこともあるのか…ふしぎぃ~。
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たしかに利益の伸びが凄いわね。10年前と比較しても、売上の伸びは13%に対し、利益は400%を超えているわ。利益が10年で5倍になるなんて…
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売上の伸びは緩やかであるものの、明治の利益は一貫して増加基調です。成長性という点では売上のほかに、利益の伸びに目を向けて評価することも大切です。
売上収益
1兆2,527億円
※他食品には、海外やその他国内子会社が入る。
営業利益
1,027億円
※他食品には、海外やその他国内子会社が入る。
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次は収益の中身を見ていきましょう。なお、発酵デイリーは牛乳やプロバイオ、ヨーグルトなどが入り、加工食品にはアイスクリームやチーズなどが入ります。
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明治はお菓子のイメージが強いけど、売上に占める割合は1割と意外と少ないわね。ヨーグルトなどの発酵デイリーが大きな割合を占めているわ。特に利益に占める割合は顕著ね。
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利益に占める発酵デイリーの割合が半分くらいある!!ヨーグルトってそんなに儲かるのか???
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ここ数年、健康志向の高まりからヨーグルト市場は機能性商品を中心に拡大しています。明治もLG21などの高付加価値商品の売上を伸ばすことで、利益を着実に増やしています。
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売上比率に大きな変化はないけど、医薬品の売上が一番伸びてるかな。
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利益の点では、14~17年にかけて発酵デイリーと菓子類が急速に伸びているわね。ここ数年は医薬品が一番伸びているわ。
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これを見ると、明治の特徴を掴むには売上より利益に注目したほうがいいのかもしれません。今のところいずれの事業も着実に利益を伸ばしていることが分かります。
近年の株価
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最後に明治HDの株価も確認しましょう。これまでの業績と株価の動きを確認し、今後の株価の動きをイメージしてみましょう。
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株価は13年頃から16年にかけて5倍に急上昇。ここ数年は株価は足踏み状態だけど、利益は継続的に増えているので、株価のもう一段の上昇に期待できるかも。
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売上がそんなに増えなくても利益が伸びてれば株価は上昇するのかぁ。
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明治の株価の動きは、株価は売上だけでなく利益も大きな影響を与えていることがよく分かる例といえます。明治の利益は順調に伸びているので、今後の株価の動きに注目です。
評価値
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では、最後に明治HDのステータス『せいちょう』を0~4の数値で評価してください。(目安 0:う~ん厳しい 1:もっとできる 2:ふつ~ 3:すくすく育て 4:ぐんぐん成長)
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それでは『せいちょう』の評価値は「3.0」にしましょう。
3.0
企業の利益率を測る
ちせい
ROEと3つの指標
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ROE(%) |
売上高利益率 |
総資産回転率 |
財務レバレッジ |
明治HD
(20.3) |
12.4
(9.4) |
5.4
(3.3) |
1.25
(1.41) |
1.84
(2.24) |
山崎パン
(19.12) |
4.3
(5.1) |
1.3
(1.4) |
1.46
(1.47) |
2.28
(2.60) |
日本ハム
(20.3) |
4.8
(6.7) |
1.6
(2.0) |
1.63
(1.74) |
1.88
(1.94) |
味の素
(20.3) |
3.3
(7.0) |
1.7
(4.0) |
0.80
(0.91) |
2.39
(1.99) |
※当期純利益を使用。( )は過去10年の平均。
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次は企業のお金の使い方という点で評価していきましょう。まずはROEを他の大手食品メーカーと比較してみましょう。
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明治のROEは12.4で、他の3社と比べても3倍近く高いね。売上高利益率も4社の中で一番高いから、この利益率の高さがROEの高さに繋がっているんだね。
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利益率も過去10年平均は3.3で直近では5.4と上昇傾向なのがわかるわ。資産の回転率と財務レバレッジが低下していても、利益率を上げることでROEも上げることができるのね。
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主要企業のROE平均が9~10%前後と言われており、食品メーカーのROEは低くなりがちの中、明治の12.4%は立派な数値といえます。続いてROEの推移を見てみましょう。
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ROEの水準は一時期に比べれば若干下がってはいるけど、それでも10%以上を維持しているので十分な水準ね。
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売上高利益率をもう一度上げたいね。回転率とレバレッジが低下傾向なのはROEにはちょっとマイナスなのかなぁ…
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回転率とレバレッジの低下はROEを上げる点ではマイナスの部分もありますが、レバレッジの低下は、財務の健全性という点ではプラスになります。
ROAと営業費用売上比率
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ROA(%) |
営業費用売上比率 |
明治HD
(20.3) |
10.3
(7.1) |
1.09
(1.06) |
山崎パン
(19.12) |
3.4
(3.8) |
1.02
(1.03) |
日本ハム
(20.3) |
5.8
(5.9) |
1.04
(1.04) |
味の素(20.3) |
3.6
(5.8) |
1.05
(1.07) |
※営業利益を使用。( )は過去10年の平均。
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次はROAと営業費用売上比率です。営業費用売上比率の上場企業の平均は1.05~1.10くらいで、1.15以上であれば十分といえます。推移もあわせて見ておきましょう。
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営業費用売上比率は1.09と平均くらいだけど、上昇傾向なのはいいことね。
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1株あたりの指標
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利益率が高いから、BPSは順調に右肩上がり。良い感じだね。
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評価値
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では、明治HDのステータス『ちせい』を0~4の数値で評価してください。(目安 0:改善が必要 1:もう少し頑張れ 2:ふつ~ 3:賢い 4:大賢者)
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3.0
企業の安定度を見る
あんてい
業績のバラツキ
業績の推定値の標準誤差(SE:%)
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1株利益SE |
売上高SE |
営業利益SE |
明治HD |
13.7 |
1.6 |
9.9 |
山崎パン |
21.2 |
2.8 |
16.2 |
日本ハム |
39.3 |
4.2 |
28.1 |
味の素 |
67.4 |
8.6 |
26.5 |
※決算値(次期予想含む)から得られる回帰式の標準誤差(SE)を次期予想で割ったもの。
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続いて業績の安定度を見ていきましょう。ここでは決算値から求めた回帰式の標準誤差を次期予想で割った値を業績のバラツキの尺度として使います。数値が小さいほど安定度は高いことになります。
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明治の数値はどれも一番小さく、業績の安定度は群を抜いて高いわね。これだと株主も安心ね。
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利益率も高くて安定度も高いと、もう文句のつけようがないね。
株価のバラツキ
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株価のバラツキも簡単に確認しておきましょう。株価が大きく変動してるほど株価の安定度は低いと言えます。
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明治の動きはこの中では一番大きいね。株価が大きく上昇ている分、変動幅が大きくなるのは仕方ないのかも…うぅ
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たしかにこれだけ急激に上昇すると、その後の動きも大きくなるのは当然かもしれないわね。
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食料品を扱う企業は、景気の影響を受けにくいので、株価の振れ幅もその分小さくなる傾向がありますが、明治ように株価が大きく上昇した場合には変動幅も大きくなってしまいます。
評価値
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では、明治HDのステータス『あんてい』を0~4の数値で評価してください。(目安 0:フリーフォール 1:ジェットコースター 2:ふつ~ 3:メリーゴーランド 4:観覧車)
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株価の変動の大きさを見ると、ここはやや控えめに「3」かな。
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株価の変動はちょっと大きめだけど、業績の安定度は高いから「4」。
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それでは『あんてい』の評価値は「3.5」にしましょう。
3.5
企業の期待度を知る
めいせい
株価と理論株価の乖離
※株価は期末株価。理論株価を求めるに際は営業利益の成長率を使用、また下限はBPS。
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次は企業に対する期待度です。ここでは理論株価と実際の株価の差を期待度とし、「理論株価<実際の株価」の程度が大きく又は長く続く場合は期待度が高い企業ということにしています。
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14年から15年にかえて一時的に差が大きくなってる。利益が急激に増えると理論株価との差が大きくなるのかな。でも、今はその差も小さくなって落ち着いてる感じ。
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14年は明治の利益が伸び始めた頃ね。理論株価を算出する際に利益の伸び率を使うから、利益が急激に増えると理論株価も大きめの値になるのかもしれないわね。
評価値
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では、明治HDのステータス『めいせい』を0~4の数値で評価してください。(目安 0:無名 1:聞いた覚えがある 2:ふつ~ 3:ほとんど知っている 4:英雄)
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それでは『めいせい』の評価値は「2.0」としましょう。
2.0
企業の優しさを感じる
やさしさ
配当状況
※配当性向が±100を超える場合は±100としています。
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最後は企業の配当です。配当から企業の投資家に対する優しさを評価してみましょう。
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なお、業種や規模によって差はあるものの上場企業の配当性向の平均は30%前後、配当利回りは2~3%と言われています。
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配当金はたしかに増えてるけど配当性向は小さくなってる。利益の伸びに比べ配当の伸びがイマイチということかぁ…まあ、30%は低くはないけど、もう少し上げて欲しい。
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株価が上昇している分、配当利回りが低くなるのは仕方ないけど、配当金を増やすことで利回りも上昇傾向なのはプラス材料ね。
評価値
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では同じように、明治HDのステータス『やさしさ』を0~4の数値で評価してください。(目安 0:魔王 1:質屋の主人 2:ふつ~ 3:宿屋の女主人 4:女神)
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では『やさしさ』の評価値は「2.0」としましょう。
2.0
企業カード
キャラデータ
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ここでトレカを作るにあたっての必要なデータを整理しましょう。キャラの生息地(エリア)は『たべもののくに』としましょう。武器や魔法、敵はどうしますか?
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武器は明治で一番売れてる商品がいいよね。なら、ヨーグルトとチョコレートかな。
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魔法は、医薬品がいいかしら。ここ数年、売上も利益も着実に伸びてるし、今後、明治の主力事業になっていく可能性も十分あると思うの。
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乳業メーカーという点では森永乳業や雪印メグミルク、菓子類では江崎グリコや森永製菓が競合相手になるかしら。
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では、明治の敵は森永、雪印、グリコということにしましょう。これで明治HDのトレカを作るデータが揃いました。
< 特技・属性 >
えりあ
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ぶき
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まほう
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てき
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たべもののくに |
ヨーグルト チョコ |
医薬品 |
森永 雪印 グリコ |
< ステータス >
せいちょう
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ちせい
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あんてい
|
めいせい
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やさしさ
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3.0 |
3.0 |
3.5 |
2.0 |
2.0 |
キャラカード
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最後はトレカに描く明治HDのキャラです。いつも通りキャラのイラストはサキさんに、タイチくんはキャラのアイディアを出してください。
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明治といえばチョコだよなぁ…。チョコって貴族ぽい感じがするよね。となると男爵!?そうか、ネコ男爵かぁ。名前は男爵だから…ニャ太郎。
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ニャ太郎のどこが男爵っぽい名前なのよ….。まあ、ひとまず描いてみますか…こんな感じかしら。
※画像をクリックして拡大。
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おぉー、男爵。まさにネコ男爵!!これで明治HDのキャラは完成だね。
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今回は少し苦労したけどうまく描けたわ。ポイントは帽子と服かしら。男爵っぽい感じに描けてよかったわ。
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最後に私たちゆうかぶの投資判断の印をキャラカードに押しましょう。
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投資判断はステータス評価値の合計(RT)で決定し、13以上で『買い』、8以上13未満は『中立』、8未満は『売り』になります。
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明治HDのRTは『13.5』だから、『買い』だ!!
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注意
キャラカードに描かれたキャラクターは当サイト独自のもので、実際の企業とは何ら関係はありません。また当サイトの「買い」「売り」の判断はゆうかぶメンバーの見解によるもので、正確性・信頼性等については一切保証されておりません。投資の最終決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。