スローとうしのすゝめ 「スローとうし」は、企業分析を楽しみながら、お気に入りの企業キャラを見つけ、推しキャラと一緒にのんびり投資ライフを送ろうというものです。
株が上がれば万歳三唱、下がれば現実逃避。推しキャラ変えるのもあなた次第。投資の考え方は十人十色。
あなたならではの、「スローとうし」をはじめましょう。
プロローグ
はじめに
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今日は前回のアサヒに引き続きビール会社大手サッポロホールディングスの投資分析をトレカ風にやっていきましょう。サッポロといえばどんな商品を知っていますか?
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サッポロかぁ…星がついたビールがあったような….はっ!?黒ラベル!!
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黒ラベルもそうだけど、たしかヱビスビールもサッポロじゃなかったかしら。ラベルが恵比寿様でとても印象的なビールよ。
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サッポロといえばやはり黒ラベルやヱビスですね。今日はそのサッポロHDの投資分析をトレカを作るような感覚でやっていきましょう。
サッポロHDの概要
- 名前【証券コード】
サッポロホールディングス【2501】
- 創業・設立
1876年(明治9年)、札幌にて札幌麦酒㈱の前身となる「開拓使麦酒醸造所」が創業。その後、大阪麦酒㈱(アサヒの前身)と日本麦酒㈱(ヱビスビールの製造)との3社合併により大日本麦酒㈱となるが、戦後の財閥解体により大日本麦酒㈱が日本麦酒(後のサッポロビール)と朝日麦酒(アサヒビール)に分割される形で設立された。
- 事業の内容
ビールなどの酒類のほか、ポッカレモンやコーヒーなどの飲料や食料品などもつくる。
- 本社
東京都渋谷区恵比寿(恵比寿ガーデンプレイス内)
- 社員の数
全体で8千人くらい。
- 企業理念・使命など
潤いを創造し 豊かさに貢献する
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本社は都内の恵比寿ガーデンプレイスという複合施設があるところよ。以前、ヱビスビールの工場があったところよ。
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ポッカレモンもレモネードとかでよく使うけど、それもサッポロなんだね。
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ポッカレモンは以前は明治の傘下にありましたが、2011年にサッポロ飲料と統合される形でサッポロHDの子会社となっています。
企業の成長性を占う
せいちょう
業績の傾向
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まずはサッポロが今後どれだけ成長できるのか、皆さんで業績を見ながら評価してみましょう。
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売上もそうだけど、本業の利益が減ってるのも気になるわね。
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食料品はもともと成長の難しい分野ですが、成長性という点では少し厳しさを感じますし、利益が減っているのも気掛かりですね。
売上収益
4,919億円
※酒類には国外酒類と外食含む。
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次は収益の中身を見ていきましょう。やはり黒ラベルやヱビスに代表されるビール事業が収益の中心となっています。
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食品飲料の売上が3割近くあるけど、割合はアサヒと同じくらいね。
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食品会社なのに不動産の収益もあるんだね、不思議~。
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サッポロは恵比寿の恵比寿ガーデンプレイスや札幌のサッポロファクトリーなどを運営することで不動産収益も稼いでいるのよ。
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ここでビール類の市場シェアを確認しておきましょう。
※出典『日本経済新聞』『日経産業新聞』の課税出荷数量に関する記事より作成。
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シェア計算の元となる「課税済み出荷量」の発表は2019年分から取りやめとなっているため、グラフは2018年分までとなっています。
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サッポロのシェアはどんどん下がっているわ。ビール市場が縮小傾向の中で厳しい状況ね。
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サッポロのシェアが低迷しているのは、発泡酒や第3のビールで苦戦しているのが要因とも言われています。復活のカギはこの点にあるかもしれません。
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酒類の比率は下落傾向だけど、食品飲料や不動産が大きく上昇しているわけではないので傾向が掴みにくい感じね。
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たしかにセグメントの推移を見る限りセグメント戦略というのは見えづらいです。売上がやや低迷気味の中、今後の成長戦略が気になるところです。
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近年の株価
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最後にサッポロの株価も見ておきましょう。これまでの業績と株価の動きを確認し、今後の株価の動きをイメージしてみましょう。
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株価は17年をピークに横ばいかやや下落傾向にあるわね。業績も16.12期をピークに今はやや低迷気味だし、現状だと株価上昇は期待しづらいかも。
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評価値
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では、最後にサッポロのステータス『せいちょう』を0~4の数値で評価してください。(目安 0:う~ん厳しい 1:もっとできる 2:ふつ~ 3:すくすく育て 4:ぐんぐん成長)
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それでは『せいちょう』の評価値は「1.0」ですね。
1.0
企業の利益率を測る
ちせい
ROEと3つの指標
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ROE(%) |
売上高利益率 |
総資産回転率 |
財務レバレッジ |
サッポロ
(19.12) |
2.6
(4.4) |
0.9
(1.3) |
0.77
(0.83) |
3.81
(4.06) |
アサヒ
(19.12) |
11.9
(10.1) |
6.8
(4.8) |
0.67
(0.89) |
2.60
(2.43) |
キリン
(19.12) |
6.6
(8.6) |
3.1
(3.7) |
0.82
(0.79) |
2.60
(2.93) |
サントリーBF
(19.12) |
9.4
(9.0) |
5.3
(4.3) |
0.84
(0.93) |
2.11
(2.38) |
※当期純利益を使用。( )は過去10年の平均、サントリーBFは上場後7年の平均。
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次は企業のお金の使い方という点から評価していきましょう。まずはROEを同業他社と比較してみましょう。
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なお、ビール大手のサントリーは非上場のため、代わりにサントリーの子会社で清涼飲料事業を担うサントリーBFの数値を載せています。
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サッポロのROEは2.6かぁ、アサヒやキリンと比較すると低い。何でこんな低いんだろう?
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ROEの過去10年平均でもライバル企業の半分ね。財務レバレッジは高いので、売上高利益率が低いことが要因かしら。
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主要企業のROE平均が9~10%前後と言われているので、サッポロの2.6%は平均よりかなり低いといえます。続いてROEの推移を見てみましょう。
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ROEが低いのはやはり利益率がずっと低位で推移していることが要因ね。ここを改善しないとROEを高めることは難しいかしら。
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財務レバレッジもずっと低下してるけど、これもROEが小さい要因なのかなぁ?
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たしかに財務レバレッジもROEが低い一因ではありますが、逆に財務の安定度は高まっています。まずは利益率の改善を期待したいですね。
ROAと営業費用売上比率
|
ROA(%) |
営業費用売上比率 |
サッポロ
(19.12) |
1.9
(2.5) |
1.03
(1.03) |
アサヒ(19.12) |
6.5
(6.8) |
1.11
(1.09) |
キリン
(19.12) |
3.7
(5.6) |
1.05
(1.08) |
サントリーBF(19.12) |
7.3
(7.0) |
1.10
(1.08) |
※営業利益を使用。( )は過去10年の平均、サントリーBFは上場後7年の平均。
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次はROAと営業費用売上比率です。営業費用売上比率の上場企業の平均は1.05~1.10くらいで、1.15以上であれば十分といえます。
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営業費用売上比率も1.03とやや低めで、キリンと同じくらいの値ね。
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ROAと営業費用売上比率の推移も見ておきましょう。
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ROAも横ばいかぁ…資産規模は小さくなってるのに利益も減ってるから…
1株あたりの指標
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やっぱ利益があんま増えてないからBPSも伸びてないね。
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CFPSも変化の幅が大きく、さほど増えてないのも気になるわ。
評価値
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では、サッポロのステータス『ちせい』を0~4の数値で評価してください。(目安 0:改善が必要 1:もう少し頑張れ 2:ふつ~ 3:賢い 4:大賢者)
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それでは『ちせい』の評価値は「1.0」としましょう。
1.0
企業の安定度を見る
あんてい
業績のバラツキ
業績の前年比標準偏差σ(%)
|
1株利益σ(%) |
売上高σ(%) |
営業利益σ(%) |
サッポロ
(20Y) |
379.4
(8) |
6.2
(10) |
30.7
(9) |
アサヒ
(20Y) |
119.3
(3) |
5.5
(5) |
12.3
(7) |
キリン
(20Y) |
184.0
(9) |
7.2
(7) |
18.3
(7) |
サントリーBF
(7Y) |
39.3
(3) |
4.8
(0) |
10.1
(1) |
※( )は前年比がマイナスになった回数。会計基準の変更期は計算外。
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続いて業績の安定度を見ていきましょう。ここでは各指標の前年比の振れ幅を標準偏差で計算しています。数値が小さいほど安定度は高いことになります。
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サッポロの数値は高めなので、他社と比べて業績の振れ幅は大きめということかしら。
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株価のバラツキ
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株価のバラツキも簡単に確認しておきましょう。株価が大きく変動してるほど株価の安定度は低いと言えます。
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似たような動きだけど、サッポロの動きは他社と比べてやや小さめかしら。
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食料品を扱う企業は、他業種と比較して景気の影響を受けにくいと言われているので、株価の振れ幅もその分小さくなる傾向があります。
評価値
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では、サッポロのステータス『あんてい』を0~4の数値で評価してください。(目安 0:フリーフォール 1:ジェットコースター 2:ふつ~ 3:メリーゴーランド 4:観覧車)
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業績の振れ幅は他社と比べて大きめだけど、過去20年で赤字になってないことを考えると「3」でもいいと思う。
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-
それでは『あんてい』の評価値は「3.0」にしましょう。
3.0
企業の期待度を知る
めいせい
株価と理論株価の乖離
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次は企業に対する期待度です。ここでは理論株価と実際の株価の差を期待度とし、「理論株価<実際の株価」の程度が大きく又は長く続く場合は期待度が高い企業ということにしています。
-
理論株価と実際の株価が離れたり近づいたり、行ったり来たり。今はちょうど近づいてるタイミングだね。
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理論株価との差が大きくなることが何回かあることを考えると、企業に対する期待度はわりと高いのかもしれないわ。今は少し下がっているようだけど…
評価値
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では、サッポロのステータス『めいせい』を0~4の数値で評価してください。(目安 0:無名 1:聞いた覚えがある 2:ふつ~ 3:ほとんど知っている 4:英雄)
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-
-
それではタイチくんの「3」とサキさんの「2」を勘案して、『めいせい』の評価値は「2.5」としましょう。
2.5
企業の優しさを感じる
やさしさ
配当状況
※配当性向が100を超える場合は100としています。
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最後は企業の配当です。配当から企業の投資家に対する優しさを評価してみましょう。
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なお、業種や規模によって差はあるものの上場企業の配当性向の平均は30%前後、配当利回りは2~3%と言われています。
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配当金は着実に増えてるし、配当性向もアサヒと比べて高めでいい感じ。
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配当利回りは株価の水準で多少の振れ幅はあるけど、だいたい2%をやや下回るくらいかしら。
評価値
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では同じように、サッポロのステータス『やさしさ』を0~4の数値で評価してください。(目安 0:魔王 1:質屋の主人 2:ふつ~ 3:宿屋の女主人 4:女神)
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-
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では『やさしさ』の評価値は「2.5」としましょう。
2.5
企業カード
キャラデータ
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ここでトレカを作るにあたっての必要なデータを整理しましょう。キャラの生息地(エリア)は『ビールのくに』ですね。キャラの武器や魔法、あとは敵はどうしますか?
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-
魔法は、他社に比べて出遅れ感のある『第3のビール』がいいかしら。ここでヒット商品が出せれば復活のきっかけになるかも。
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そうなると、アサヒやキリン、サントリーになるわね。
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< 特技・属性 >
えりあ
|
ぶき
|
まほう
|
てき
|
ビールのくに |
黒ラベル |
第3のビール |
アサヒ キリン サントリー |
< ステータス >
せいちょう
|
ちせい
|
あんてい
|
めいせい
|
やさしさ
|
1.0 |
1.0 |
3.0 |
2.5 |
2.5 |
キャラカード
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最後はトレカに描くサッポロのキャラですね。いつも通りキャラのイラストはサキさんにお願いして、タイチくんはキャラのアイディアを出してみてください。
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サッポロかぁ…タヌキみたいにかわいくて、ヱビスビールだから恵比寿様!!樽ビールがあって、名前がポン太っぽい感じかな。
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サッポロだとタヌキよりキツネな気がするけど、で恵比寿様か…。まあ、描いてみますか…こんな感じかしら。
※画像をクリックして拡大。
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おぉ~、すごい。これこそポン太。これでサッポロのキャラカードの完成だね。
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意外とうまく描けたわ。ポイントは手に持った鯛かしら。恵比寿様といえばやっぱ鯛よね。
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最後に私たちゆうかぶの投資判断の印をキャラカードに押しましょう。
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投資判断はステータス評価値の合計(RT)で決定し、13以上で『買い』、8以上13未満は『中立』、8未満は『売り』になります。
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注意
キャラカードに描かれたキャラクターは当サイト独自のもので、実際の企業とは何ら関係はありません。また当サイトの「買い」「売り」の判断はゆうかぶメンバーの見解によるもので、正確性・信頼性等については一切保証されておりません。投資の最終決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。