- 株主って偉いの?
- 配当金はどうやって分配するの?
- 株主総会ってなに?
- 会社が解散したら?
今日のテーマは「株主の権利」です。
前回は株式会社タイチベーカリーを開業するとこまで話しを進めましたが、今回はタイチベーカリーの「株主」にスポットを当てて進めていきましょう。
さて、タイチくん、株主の権利は覚えていますか?
えっと、たしか….はっ!!
口出すゾ~利益欲しい~残りもんは僕のだ~、3つだ!!
その覚え方でよく忘れないわね…
正解です。
まずは、利益欲しい~から見ていきましょう。
(もう、その覚え方でいくのね…)
アリア、「利益配当請求権」を検索。
企業の利益の分配である配当を受け取ることができる権利のことをいいます。
配当???
株式会社の利益を出資者である株主に還元する現金のことを「配当(金)」といいます。
株主であれば配当は必ず貰えるものなのかしら?
必ずではありません。
配当は会社の利益を原資としますので、業績が悪かったりすると貰えないこともあります。
イケイケな会社じゃないと配当は貰えないのか~。
イケイケって、どーいう会社よ💢
う~ん、お金たくさん、配当たくさんの会社かな~。
聞いた私がバカだった…
配当は言わば、会社から株主への出資に対するお礼と考えるといいかもしれません。
配当ってどれくらい貰えるんだろ~?
配当は株主が持つ株数に応じて貰うことができます。
(株)タイチベーカリーを例に見ていきましょう。
今、会社の株主がタイチくんとサキさんと私の3人で、タイチくんとサキさんは200株ずつ、私は100株を保有しているとします。
えっ、僕も株主???
タイチくんは会社の株主でもあり経営者でもあります。
会社を作る本人がお金を出すのは当然よ。
自分でもお金を出すのか、ぶーぶー💨
さて、仮に会社の利益が3万円あったとします。タイチ社長はどれだけ株主への配当に使いますか?
う~ん、3万円あればプレステ4が買えるな~、欲しかったんだよね~、てことで配当は無しで!!
なんでそーなるのよ💢
会社の利益で私的なもの買えるわけないでしょ!!
え~、そうなの~、プレステ4欲しいのに…
そうですね、利益を社長個人が欲しいものに使うことではできません。
例えば、新商品の開発費や新しいオーブンの購入費に使うのであれば会社に残すこともできます。
そうなのか~、じゃあ3分の2くらいは会社に残して、残りは配当に使おうかな~。
では、3万円の利益のうち2万円は会社に残して、1万円を配当に使うということですね。
さて、このとき1株あたりの配当金額と一人ひとりに支払われる配当金はいくらになるでしょうか?
えっ、えっと…💦
1株20円の配当で、私とタイチが4000円ずつ、先生が2000円になります。
計算、早っ!?
数字にはチョットだけ自信があるのよね、ふんっ!!
正解です、本当に計算が早いですね。
配当の仕組みを図にするとこのようになります。
1株が20円は、どうやって計算してるんだ?
3人の株数を合計すると500株、なので配当原資の1万円を500で割ればいいのよ。
そうか、そうやって計算すればいいのか!!
このように、株主への配当は株数に応じて配分されます。また、利益がなければ配当は貰えませんので、配当を貰うには利益をしっかり出している会社の株主になる必要があります。
赤字の会社だと配当は貰えないのね、注意しないと。
さて、次は口出すゾ~について見ていきましょう。これは会社の経営に参加する権利のことです。
経営に参加って???
一緒にパンでも作るのかな…
そんなわけないでしょ💢
でも、具体的に何をするのかしら?
株主は「株主総会」に参加することで、会社の経営にかかわることができます。
株主総会???
アリア、「株主総会」を検索。
株主によって構成される株式会社内部の最高の意思決定機関です。(デジタル大辞泉)
最高の決定機関?
まさか、社長よりも偉い??
社長も株主総会で決めますので、社長よりも偉いことになります。なので、タイチベーカリーでも一番偉いのは株主総会ということになります。
が~ん…社長が一番じゃないんだ…
株主総会では、社長などの経営陣に対して「新しい商品を販売したほうがいい」とか、「社長を代えて欲しい」「配当金をもっと出して」などの意見を出すことができます。
てことは、社長が怠けていたらクビにすればいいのね。
うぅ…クビ…。
少し前の日本では、配当を貰うためだけに株主になることがほとんどでしたが、最近では積極的に会社に要望を主張する「ものいう株主」の存在が大きくなりつつあります。
私もタイチベーカリーの株主として社長の働きぶりを監視して、口出しすることが必要ね。
恐い…
株主は会社にいろいろと口出しすることができますが、その影響力の大きさは、その株主が持っている株式の数で変わってきます。
そうすると、会社に自分の意見を聞いてもらうには、たくさん株式を持つ必要があるのね。
その通りです。
例えば、ある会社の株式を100株持ってる株主が会社に意見をしても、1000株持ってる株主が反対したらその意見は通りません。
重要なのは株数なので、会社への影響力を高めるには多くの株を持つことが必要となってきます。
でも、具体的にどのくらい株を持っていれば影響力が強くなるのかな~?
具体的には、その会社が発行している株式の3分の1以上あれば会社が重要なことを決定するときに「それはダメ」と反対して、決定を覆すことができます。
私の場合、タイチベーカリー株の保有割合は40%(200÷500)で3分の1以上なので、タイチが決定したこに反対することができるのね。
そうです。ですのでタイチ社長は大株主であるサキさんに反対されないように経営しなくてはなりません。
うぅ…大変…
さらに、サキさんが発行株式の2分の1以上の株を持つと会社の経営権を完全に奪うことができます。そうなると、タイチ社長は独自の経営などできずに、サキさんの意見を聞いた上で会社を運営していくことになります。
そうね、タイチが怠けていれば株を買い占め言うことを聞かせればいいのね。
怠けないよ~、パン食べるの好きだし~。
すぐにでも株を買い占めて社長を代えたほうがいいような…
最近は、株を買い占めようとする株主と、経営側が対立するニュースが増えてきました。こうしたニュースに関心を持つとよりその会社の実情を深く知ることができます。
さて最後は、残りもんは僕のだ~です。
アリア、「残余財産分配請求権」を検索。
企業が解散する際に、負債を返済し、なお財産が余る場合、株主はその持ち株数に応じて残った財産の分配を受けることができるという権利です。(株式公開用語辞典)
解散?!
これは会社が倒産などした際に、最後に会社に残った資産を株の持ち分に応じて受け取ることができるものです。会社が株主の出資金が作られていることを考えれば当然の権利ともいえます。ただ、あまり表に出てこない話しなので、今はこれだけ覚えておけば十分です。
は~い。
さて、株主の話しがひと段落したところで、本日はここまでとします。
みなさん、ありがとうございました。
ありがとうございました。
ありがとうございました。
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